・ウォークマン“Xシリーズ”を実際に触ってみた(動画編)
・ウォークマン“Xシリーズ”の外観レビュ-(鉱物をイメージしたスタンダードモデル)
・動画を見るのが楽しくなる有機ELディスプレイを載せたウォークマン“Xシリーズ”
・自分の世界に入り込めるデジタルノイズキャンセリング機能を持つウォークマン“Xシリーズ”
・ウォークマン“Xシリーズ”の外観レビュー(金属の輝きを持つアイスブラック)
の続き。
世間的な“ポータブルオーディオ”の代名詞というのが、
昔は『ウォークマン』だったものが
「iPod」に変わったと言われて久しい。
さらに、
今はその境目が曖昧になってきたというか、
音楽だけじゃなくて、動画も見れて、ネットもできたり
はたまたたくさんのアプリが使えたりと
いろんな事ができる機器に変貌していて、
以前のように、
純粋に音楽を聞くだけの“ポータブルオーディオ”というジャンルだけで捕らえにくくなってきた気がする。
もちろん
ウォークマン“Xシリーズ”に
搭載されている有機ELディスプレイはとても綺麗だし、
タッチパネルのオペレーションとか、
ワイヤレスLANを内蔵したりと
iPodtouchやiPhoneばりに多機能化してきた部分も魅力的ではある。
けど、
昔ながらの古い頭を引きずってる自分の中では、
ソニーの『ウォークマン』っていうと、
持ち出せる気持ちよい音楽を聴けるオーディオ機器だという固定概念があって
だからというか、
たくさんの機能がうんぬんよりも
素で、いろんなハイエンドオーディオに搭載されてきた
ソニー独自のデジタルアンプテクノロジー“S-Master”を
ウォークマンに搭載してきたのが、
ウォークマン“Xシリーズ”の一番の魅力だと思ったし、
だから欲しくなったと言ってもいいくらい。
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【出来る限りクオリティを保ったままウォークマンへ転送する】
正直な話、
フラッシュメモリー系のウォークマンを使うようになってからは、
最初は、SonicStage標準のATRAC3で録音していたけど、
あまりの汎用性の悪さに閉口して、
やっぱり手持ちの機器にすぐに使えるMP3に変更してしまった。
CDから取り込む時は
だいたいビットレートは128~192kbpsで
アルバム1枚が80~100MBくらいの容量で集めていた。
(ウォークマンや他の機器に、たくさんの楽曲が入れられるように。)
だけど、
自分の場合に限っては
結局いっつもお気に入りのアーティストのアルバムばっかりを繰り返し聴いてる事が多くて、
だったらいっそのこと
ウォークマン“Xシリーズ”は、純粋に音質のクオリティを出来る限り落とさずに入れたほうがいいやと思って
お気に入りの手持ちのCDを、
もう一度「WAVファイル(Linear PCM 1411kbps)」で取り込みし直してみた。
レンタルして手元にないCDはどうしようにもないので
そのままで。
最近のCDには、
より高音質化した「Blu-spec CD」とか「SHM-CD」ってのもあって、
買ったら、自然と最初からそういう仕様だったものもあれば、
あえて高音質CDになったアルバムも買ってみた。
そこまで聞き分けられる耳を持ちえてるかは怪しいものだけど、
より高音質なものを取り込めて
それをそのままのデータでウォークマンに送り込んで
聴けるのならそれに越した事はないかなと。
だいたいアルバム1枚あたりが800MB程度になるので、
単純に今までの8~10倍のデータ量。
それをSonicStageで
ウォークマン“Xシリーズ”に転送する。
ちなみに、
この
ウォークマン“Xシリーズ”からは、
USBでつないでPCから中身が見えてるので、
音楽ファイルを「MUSIC」というフォルダに
ドラッグ&ドロップしても使える。
ぶっちゃけ、音楽ファイルの転送は
こっちのほうがはるかに早くて
例えば、iTunesで管理して、転送はドラッグ&ドロップ
みたいな使い方もできる。
ドラッグ&ドロップの弊害は、
プレイリストが転送できないとか
著作系保護された曲がNGという程度で
それ以外は
アルバム名もアーティスト名も曲名も漢字OKだし
ジャケット写真も表示されるのでたいした不便さはないし。
これはやっぱり楽だなと。
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【触れる音楽の設定類】
ウォークマン“Xシリーズ”に転送したら、
音楽のオペレーション系は
前回にやったので、
音楽に関していじれる部分をチェック。
画面右下にあるメニューアイコンを押すと
音楽に対するメニューリストが現れる。
「プレイモード」は、
普段どおりに聴くノーマル、
繰り返すリピートとランダムに再生するシャッフル、
ランダムに再生しながら再生範囲内を繰り返すリピートシャッフル、
1曲だけをループして聴きまくる1曲リピートが選べる。
「イコライザ」は、
デフォルトとして、ヘビー、ポップス、ジャズ、ユニークの4種類に加えて
自分で0.4kHz、1.0kHz、2.5kHz、6.3kHz、16kHzの5つの範囲を±3段階で調整、
低音域を持ち上げるクリアバスのレベルを0~3の4段階で変更できる。
これは
聴く楽曲によってモロに印象が変わってくるので
自分が一番頻繁にいじる部分。
オフのままが心地良い場合も多々ある。
「VPT(サラウンド)」は、
スタジオ、ライブ、クラブ、アリーナ、マトリックス、カラオケ
といった6種類の音場を擬似的に作り出すもの。
個人的に、
普通に聴音楽でこれを使うのがものすごく嫌いなので一切使わない。
「DSEE(高音域補完)」は、
特にMP3とかで、圧縮された音楽の場合に
高音域がスカスカになってしまうのを補ってくれる機能。
リニアPCMだと不要っぽいし
バッテリーの持ちにも多少ならず影響するみたいでOFF確定。
「クリアステレオ」は、
ヘッドホンに音を出力する時に、
左右それぞれの音が混在するのを抑える役割をする機能で、
きちんと左右に音を振り分けてくれるもの。
デフォルトでONにもなっているのでそのまま。
「ダイナミックノーマライザ」
録音レベルが違っている場合、
曲が変わるたびにボリュームを大きくしたり小さくしたりしなきゃいけないのを
軽減してくれる機能。
小さい音量でも聴きやすくなるというメリットもある。
最近のアルバムCDを聴く過程では、
レベルが極端に違う事はないのでOFF。
アナログ音声を取り込んだものがたくさんある場合には有効かも。
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【後は思う存分音楽を楽しむ】
元のCDとほぼその同じデータがウォークマンに入ったなら、
後は好みの音にチューニングして聴くだけ。
付属のノイズキャンセリングイヤホンを使えば、
周りの音を出来る限り遮断してくれて
より音楽に没頭する事ができる。
周りの雑音が減るから、
音量を上げすぎなくても心地良く聴できるし
これはこれで納得できる。
けれど、
やっぱりイヤホンにも好みがあって、
ノイズキャンセル機能を犠牲にしてでも
手持ちのイヤホンで聴いたほうが、
もっと
ウォークマン“Xシリーズ”の音の良さを体感できる。
自分の愛用してるイヤホンとヘッドホンはこれら。
イヤホンは、
密閉型インナーイヤーレシーバーの
「MDR-EX700SL」と、
「MDR-EX90SL」
それから、QUALIAの「MDR-EXQ1(日本製)」の3つ。
オーバーヘッドタイプのヘッドホンとしては
スタジオモニター系の
「MDR-Z900HD」。
元は、
「MDR-Z700DJ」を長らく使っていたけど
大口径50mmドライバーユニットと、80KHzというものすごく広いレンジに魅了されて購入。
スーパーオーディオCD系のヘッドホンという選択肢もなくはないけど
見た目と装着スタイルからしてこっちのほうが好みで。
イヤホン的な好みはそれぞれあって、
このイヤホンの中で一番古いQUALIA「MDR-EXQ1」は、
長らく使ってる事もあってか
聞こえてくるたくさんの音が一番自然に聞こえる。
イコライザーはオフのままで十分。
ただ、イヤーコードが細すぎで切れてしまいそうで恐くて滅多に使えない。
「MDR-EX700SL」は、音が太めというかハッキリ系。
音の威圧感がすごいというかものすごくクセがあるというか、
イコライザで中音域を抑え目にしてやると聴きやすくなる感じ。
でも、やっぱり扱いやすさと
高音から低音までの伝わり方が好みなのは
「MDR-EX90SL」で、
ほぼこればっかり常用。
というか、新モデル
(MDR-EX500SL)がでてきても、はるかにこっちのほうが好き。
弱点は、音漏れが盛大で
聴いてる音楽のタイトルを隣の人に教えてるようなものなので
人前では音量は極力控えめに。。
ほぼ聴いてるものがボーカル主体のポップスばかりで、
それもある特定のアーティストの声が綺麗に耳に届いたらそれでいいという
ものすごく偏った聴き方しかしてないので、
まるで参考にもならないかもしれないけれど、
純粋に音を楽しんでみると
ウォークマンから聞こえてくるボーカルの声の生っぽさが素敵。
今までが離れたところで歌ってるアーティストが
自分に近づいて歌ってくれてる感覚。
バックで流れてるピアノ、トランペット、ギター、シンバル
といった楽器のひとつひとつがはっきりと聞こえてきて
自然な音として耳に届く感じで、
もやーっとしてない、薄っぺらくない。
持ち運ぶポータブルプレーヤーだったら、
これくらいでいいやと思っていた音が
こんな風に聞こえるんだと思えるほどの差が感じられる。
もう、崇拝するアーティストや
何100回でも繰り返し聴いても飽きないお気に入りの曲があるのであれば
この
ウォークマン“Xシリーズ”で聞きくとこれほど心地良いものはない。
かなり自己陶酔型の向きが強いし、
それ以外の部分では使い勝手ではまだ改善の余地もあるのだけど、
こと音楽を聴く事に関しては、突出してると思われる。
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ただ、
どうしても1つだけ残念なのは、
ウォークマン“Xシリーズ”がBluetooth機能を備えていない事。
別売の
Bluetoothオーディオトランスミッター「WLA-NWB1」を利用すれば、Bluetoothを利用できるけど、
わざわざ余計な突起物が飛び出してしまう。
それに、
例えば、最近の車載にはBluetoothが装備されていて、
それと連携しようと思ったら
Bluetoothが内蔵されたウォークマンなら、
余ったWMポートに電源ケーブルをつないで常時電源として確保できるのに
このユニットを付けると、WMポートをふさいでしまって、
車の中ではバッテリー駆動でしか使えない。
長時間音楽再生ができるとはいっても、
全くバッテリー切れのない状態とそうでない状態では
気分的には全然違う。
ポータブルオーディオという面からみれば、
Bluetoothは装備しておいて欲しかったなと。
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iPhoneは、とてつもなく便利なガジェットで、
手放さなす事はできないし、荷物を少なくしたい時は、
ウォークマン“Xシリーズ”も一緒に、
2台は持っていかないかもしれない。
だけど、
音楽を純粋に楽しみたいという気分の時はあるわけで、
その時は、やっぱり
ウォークマン“Xシリーズ”じゃなきゃいけないと思わせられる。
特に自分の場合、
仕事場で音楽を聴く事が多くて、
ポータブルオーディオにヘッドホンというスタイルが一番多いのだけど、
身近にCDやCDプレーヤーやアンプといった大掛かりなものは置けなくても
この
ウォークマン“Xシリーズ”のおかげで、
リニアPCMのデータをS-Masterを通して聴けるという環境ができるわけで、
音楽のクオリティが一段階上がった感じがしてうれしい。
ソニーのハイエンド機にありがちな
全て何でも満足させてくれるというわけにはいかない不器用さがありつつも
良い音を聴くという方向性では十分に心を満たしてくれているので、
とっても気に入って毎日使っている。。
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